〜口臭の原因と対処法〜

2021年05月16日

👄マスクをしていると気づく自分の口臭…

新型コロナウイルス対策の為に、マスク着用が日常となりました。

マスクを着けているとニオイが気になることはありませんか?

もし、ニオイを感じたら…それは…ご自身の口臭かもしれません。

そもそも口臭とはどのような種類があるのか?減らすことはできるのか?

今回は、口臭についてお話しします。

 

👄多くの原因は歯周病や虫歯です

口臭にはさまざまな原因があります…

1.口腔(口の中)が原因

歯周病や虫歯、歯垢や食べカスなどによるもの

2.全身の病気が原因

鼻やのど、呼吸器、消化器などの内臓における疾患によるもの

3.飲食物、嗜好品が原因

ニンニク、ネギ、アルコールなどの臭いの強い食べ物、タバコによるもの

4.生理的口臭が原因

朝起床時、空腹時や生理時などのホルモンバランスの不調によるもの

口臭の原因の多くは胃腸によるものと思われがちですが…

 

⚠️実は口の中の原因が口臭全体の90%を占めています‼︎

では、どのようにして臭いの原因が作られるのでしょうか?

•歯周病

口臭で一番考えられるのが歯周病です。

口臭と歯周病の間には、高い相関性があることが研究によりわかっています。

歯周病の特徴は清掃不良などで歯と歯肉の境目の溝が深くなり、その中に多くの細菌が住みつきます。

これらの細菌が出すガス(硫化水素やメチルメルカプタン)が口臭の原因になります。

 

•虫歯

虫歯は独特の臭いを持っています。

食べカスや虫歯菌が虫歯の穴の中にたまると細菌が繁殖して臭いがきつくなり、さらに虫歯が進行するとタンパク質で出来ている歯の神経まで到達します。このときタンパク質が腐敗して口臭の原因になります。

このように ほとんどの場合、口臭は口の中の細菌によって発生しています‼︎

 

👄口臭対策は?

口臭の原因が細菌により発生しているのであれば、口の中の細菌の数をいかに抑えるかが口臭対策のポイントとなります。

その為には…

日々の歯磨きが大切です

ただし歯ブラシだけで取り除ける歯垢(細菌の塊)は全体の約60%ほどです。歯周病や虫歯をしっかり予防するためには、歯ブラシだけでなくデンタルフロスや歯間ブラシを使用して歯間清掃を行うこと。

•舌の汚れ

口の中の細菌が住みついている場所は歯だけではありません。

なんと!舌にも多くの細菌が住みついているのです。

舌の表面には「舌乳頭」とよばれる細かい突起が無数にあります。

この突起と突起の間が細菌の住処になっていて、その中には細菌の餌となる食べカスや古くなった口の粘膜が入り込み、これらがこびりついて出来たものを「舌苔(ぜったい)」と呼びます。

ベロの表面がやや白っぽい程度なら問題はありませんが、ベロ全体が真っ白なら、そこからも不快な臭いが出ているのです。

 

👄まとめ

口臭の対策には、その原因となる歯周病や虫歯にならないようしっかりと歯を磨くことが第一です。

しかし、歯周ポケットに入ってしまった歯垢の中の細菌や、歯石やバイオフィルム等はご家庭での歯みがきでは落とすことができません。市販のミント風味の薬用成分の入ったマウスウォッシュ(口内洗浄液)などで一時的には口臭に対する効果があるかとは思いますが、歯垢除去力が強いわけではないので根本的な解決にはなっていません。 

よって、歯周病やむし歯の予防には歯科医院の設備にて歯科衛生士による定期的な予防ケアが必要となってきます。特に歯周病は、糖尿病や認知症などの全身疾患と大きな関係があるため、生活習慣とともに改善することで計り知れないメリットがあります。また、妊娠中の女性はホルモンバランスの乱れから歯周病になりやすかったりしますので、胎児のためにも歯周病対策は必須と言えます。

 

日本歯周病学会 認定医
日本歯内療法学会 専門医
日本歯科保存学会 認定医
アメリカインプラント学会 認定医
ジャパンオーラルヘルス学会 予防歯科認定医

米国ロマリンダ大学インプラント科 卒業
北海道医療大学 歯学部 歯周歯内治療学分野 非常勤講師
歯学博士

札幌歯科 院長 坂本 渉