Preventive treatment

予防治療とは、歯周病や虫歯などになってから治療をするのではなく、虫歯や歯周病にかからないよう、積極的に取り組む治療のことをいいます。歯周病や虫歯というのは、治療は可能ですが一旦悪くなると、元のような健康な状態には戻りません。そのため「悪くなったら治療する」ということを繰り返していると、だんだんと歯が悪くなり、将来的に歯を失う可能性が高くなります。

80-20 Campaign

皆さまは8020運動というのをご存知でしょうか。これは「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動で、厚生労働省や日本の歯科医師会により推進されています。20本以上の歯が残っていれば、何でもかんで食べることができる人の割合80%以上であると報告されています。

「何でもかんで食べることができる」人の割合

※国民健康・栄養調査(2013)、50歳以上、男女別

そして、2016年の歯科疾患実態調査において、75〜84歳の8020達成者の割合が初めて5割を超えました(51.2%)

現在は、人生100年時代と言われているので、あと20年はこの状態を維持する必要がありますし、達成率もさらに引き上げる必要があります。

そのためにも歯に問題が起こってから歯科医院を訪れるのではなく、歯を健康的に保つために積極的に歯科医院に通う必要があるのではないでしょうか。

Preventive treatment method

予防治療は大きく分けて、セルフケアとプロケアに分類されます。

これらは車の両輪のようなもので、
両方を充実させることで、お口の健康を長く保ちます。

セルフケアとは
患者さまが自宅で行う毎日の歯のお手入れのことです。セルフケアの基本は、毎日のブラッシングです。お口の中に汚れをためずに、できる限り隅々まで落とすことが大切です。歯と歯の間の小さな隙間には、歯ブラシでは届きにくいためデンタルフロスや歯間ブラシを使いましょう。 
プロケアとは
歯科医師や歯科衛生士が行う専門的なお口のクリーニングです。毎日きちんと歯を磨いていても、磨き残しは発生します。磨き残しの歯垢は、時間が経つと病原性の強いバイオフィルムという状態になり、歯ブラシでは落としにくくなります。このバイオフィルムや歯石を、専門の器具を使ってきれいに取り除きます。

Preventive treatment method

国民皆保険制度は、病気の部位を治すことを目的とした制度な為、予防のことは一切考えられておりません。
ですので、歯周病のメンテナンス等として、プロケアを行います。頻度も歯周病の状態や手術の有無で決まり、基本的には3〜6ヶ月に1回、最高でも1ヶ月に1回(手術した部位のみ)でしか状態確認やプロケアを行えません。

これでは、セルフケアとプロケアのバランスが均等ではなく、予防治療は患者さん自身のセルフケアにかなり依存することになります。そうすると上手くセルフケアを出来ない患者さんは、治療していても歯を残せないという状態になるわけです。

ですから、セルフケアを頑張って頂けるよう、歯科医師や歯科衛生士が指導するわけですが、その大切さや価値をなかなかご理解頂けていないのが現状では無いでしょうか。

自由診療による予防治療であれば、極端に言えば毎日でも、1週間に1回でもその人のセルフケアの理解度や器用さに合わせて頻度を決定することが出来るので、セルフケアが上手に行えない方でも、歯を長く残せる可能性は高くなります。

『予防』というぐらいですから、歯周病などの病気になる前に、出来るだけ早い時期から治療を始めることをお勧めします。