Dentures

歯を失うと、たとえそれが1本であっても、見た目が悪くなったり、食事が不便になったり、発音に影響が出たりするものです。さらに、歯が抜けたまま放置していると、歯がずれてかみ合わせや歯並びまで崩れてきてしまいます。

そこで歯を補う治療が必要になりますが、入れ歯(義歯)は失った歯の優れた代替手段の1つです。できるだけ快適に違和感なく装着できるよう、入れ歯(義歯)は1人ひとりのお口に合わせて作られています。

Types of dentures

入れ歯には大きく分けて部分入れ歯と総入れ歯があります。

部分入れ歯(局部床義歯)とは?
ご自分の歯が1本でも残っていれば、部分入れ歯になります。部分入れ歯は1本失った場合から入れることができます。部分入れ歯には金具が付いており、残っている歯に金具を引っ掛けて安定させます。金具は自費の入れ歯の場合にはつかないものもあります。
総入れ歯(総義歯)とは?
歯を全て失うと、総入れ歯になります。部分入れ歯とは違い、残っている歯に安定を求められないため、入れ歯の面積を大きくして、歯茎や粘膜に吸着させることで安定させます。

入れ歯(義歯)治療で1番大切な事は、患者さんの理解と協力です!!

初めて義歯を使用する場合、痛みや違和感を感じるから使用したくないと義歯を使わない方がいらっしゃいます。そうするとお口の中の噛み合わせの状態が悪化していきますので、頑張って使用するようにしましょう。

義歯は装具です。手がない方は義手、足がない方が義足、を使用するように歯がない為、義歯を使用するのです。そこを理解して頂けると、義歯を初めて使用する場合に痛みや違和感を感じることを理解できるかと思います。また、装具を使用していく上で大切なことが、リハビリテーションと調整と言うことも容易に想像できると思います。
義歯の調整に関しては歯科医院で行いますが、リハビリ(食事をとったり、しゃべったり)は、他の装具とは異なり、自分1人で日々行わなければなりません。つまり自分自身の努力が必要になるのです。

作り変えて新しい義歯を使用する場合も、前の義歯と比べて…などの違和感を感じることがあります。これは、前の義歯を作った時と、残っている歯や顎の骨の状態(加齢とともに変化します)が違う場合がほとんどですし、義歯を支える骨が徐々に痩せて治療の難易度は上がるために起こり得ます。

保険診療で義歯治療を受けられている患者さんには、是非とも『60歳の還暦を祝うことが珍しかった時代に作られた国民保険の義歯治療を、人生100年時代の現在に適応している難しさ』もご理解して頂きたいと思います。