🦷妊娠中の歯科治療について🦷

2023年10月06日

妊娠中の口腔内の特徴

妊婦さんの口腔内はホルモンのバランスの変化により唾液の分泌量に変動が起こりやすかったり、女性ホルモンの増加により歯周病の原因菌が増殖しやすくなります。

また、悪阻の影響により歯磨きを行いにくいなど、口腔清掃が不十分となり歯周病や虫歯になりやすく重症化しやすいです。

妊娠性歯肉炎(妊娠中のホルモンバランス変化によって生じる歯肉炎)や妊娠性エプーリス(口腔内の粘膜に部分的にできる良性のしこりのようなもの)、慢性辺縁性歯周炎(歯周病)、口内炎などの粘膜疾患などが見られることがあります。これらの疾患は出産後には軽減、消失する場合が多いです。

上記のことから、妊娠中はいつも以上に気を付けて、お口のケアを行うことが大切です。

 

対策

・食後のうがい、歯磨きをこまめに行う。

・悪阻がある時はできるだけ気分の良い時に歯磨きを行い、磨けない時はうがいをする。

(悪阻の時は小さいヘッドの歯ブラシを使うと磨きやすいです。)

・食の変化があると思いますが、糖分の多い食品、酸性食品を長く食べることは控える。

 

妊婦歯科検診

妊娠中は歯周病や虫歯になりやすく、さらにこれらの初期症状は自覚しづらいです。

悪阻が落ち着いて、体調が安定している間に必要な治療を行うことをオススメします。

妊娠中に歯科治療を受ける際には、母子手帳を提示し、産婦人科医から注意を受けていることは必ず歯科医師やスタッフにお伝えください。もし治療中に体調や気分が悪くなってしまったら、遠慮せずに教えてください☺︎

 

歯科治療の心配事

・麻酔について

通常の歯科治療で用いられる麻酔は局所的かつ麻酔の量もわずかなので、お腹の赤ちゃんに影響はありません。痛みを我慢しながらの治療は、母体にも赤ちゃんにもストレスになるため治療中痛みがある際には我慢はせずにお伝えください。

・X線撮影の影響について

歯科で用いられるエックス線の放射線量はごくわずかで照射部位も子宮から離れていますのでおなかの赤ちゃんにはほとんど影響はありませんが、患者さんご自身がレントゲン撮影の希望をしない場合は無理に撮影はいたしません。

妊娠中は心も身体もたくさんの変化があり、不安定になりやすいです。

安心して治療を受けていただきたいので、何か心配なことや分からないことがありましたら、お気軽にご相談ください。 

 

日本歯周病学会 認定医
日本歯内療法学会 専門医
日本歯科保存学会 認定医
アメリカインプラント学会 認定医
ジャパンオーラルヘルス学会 予防歯科認定医

米国ロマリンダ大学インプラント科 卒業
北海道医療大学 歯学部 歯周歯内治療学分野 非常勤講師
歯学博士

札幌歯科 坂本渉